スポーツ選手に限らず、健康維持や体力向上のために運動を行っている人にとって、運動前の準備運動やストレッチングを行うことはとても重要なことです。

　しかし、準備運動やストレッチングの不足や筋肉の疲労、又は筋力低下時期（４〜６月のスポーツのやり始めで筋力が十分に強化されていない時期）などのときに起こしやすい障害のひとつに『肉離れ』があります。

　『肉離れ』というのは、筋肉の損傷であり走ったり跳んだりするときに、瞬間的に強い力が加わり『パシッ』というような音や衝撃を感じ、強い痛みと共に走ったり、歩行したりが困難になる状態を言います。それは、筋肉の繊維の一部が断裂しているために起こります。

　『肉離れ』が起こりやすい筋肉には、ハムストリング（太ももの裏の筋肉）、大腿四頭筋（太ももの筋肉）、腓腹筋（ふくらはぎ）などがあげられます。

　治療はまずはＲＩＣＥ処置を行い出血や筋肉の損傷を軽減させます。その後、テーピングや、弾力包帯などで圧迫固定を行い『肉離れ』の部位にかかる負担を軽減させます。そして、筋肉の痛みを和らげるために電気療法、アイシング、温熱療法を行い、痛みが落ち着く時期になったら軽くマッサージなどを行います。
　『肉離れ』は初期治療が非常に重要になりますので我慢や無理をせずに接骨院などの専門の医療機関を受診しましょう。

　経過としては、治療開始より１週間で痛みはかなり軽減してくると思います。しかし、ここで気を抜かずに『肉離れ』の場合は２〜３週間後ぐらいから回復の程度にあわせて軽いランニングから慣らしていき、４〜５週間後ぐらいからスポーツ復帰していきましょう。

　復帰後も再発防止には十分に注意を払い、適切なウォーミングアップやストレッチング、クールダウンを取入れ決して無理をせずに行いましょう。