膝関節は、柔道・ラグビー・スキー・バスケットボール・バレーボールといったスポーツの際によく痛める関節です。その中でも靭帯損傷はよくみられる外傷です。
膝関節とは大腿骨・脛骨・腓骨膝蓋骨の骨で構成される関節です。この膝関節は外からの力のかかりやすいわりに不安定な構造をしているため四つの大きな靭帯で補強されています。
@外側側副靭帯 A内側側副靭帯 B前十字靭帯 C後十字靭帯
@・Aは横方向の安定性を、B・Cは前後方向の安定性を保つ役割を持っています。
これらの靭帯をスポーツや事故などによって痛めてしますと、膝の激しい痛みと腫れとともに膝関節の運動制限と不安定感が出現し歩行や日常生活に支障をきたします。
治療としては、靭帯の損傷程度、合併症の有無、年齢等によってきますが、まずは初期の応急処置が大切です。
その後、捻挫などの靭帯の部分損傷などで、症状の軽度のものなら3〜6週のギプス又は副子による固定と理学療法を行えば症状は治癒に向かいますが、靭帯が完全に断裂したものや、特に複数の靭帯が切れているときには手術が必要になる場合があります。
固定除去後には正常な関節の動きと筋力を回復させるために運動療法(リハビリ)が必要になります。さらに運動療法と並行してスポーツや仕事などで膝に負担の大きい人は特殊な膝サポーターなどの装具を使用して治療にあたります。
大変複雑な関節であると共に体重のかかる加重関節のためしっかりとした機能回復訓練が必要となります。そのため治療期間は長くなる場合が多いですが、放置してしまった場合日常生活や、スポーツ、労働に支障が残りやすいためあせらずにじっくりと治療が必要です。
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